中国、ここから世界へ

蜀黍畑の中の工場から

東単から車で30分程走るとタイムスリップしたような集落の目抜き通りに入ります。
通りを抜けると田舎道の片側は干した玉蜀黍の粒で一面黄色に塗られたようになりました。
文化大革命の波にも洗われたであろう古びた煉瓦塀に囲まれた工場は玉蜀黍畑の中に突如姿を現しました。
レンガ門の頑丈な鉄扉を開けて中庭に入れば外壁を白く塗られた無数の平屋の工場棟が視界に広がります。
日本、そして私たちとチームを組むアメリカのビジネスマンたちの来訪を総経理が満面の笑みと力強い握手で迎えます。
早速、稼働中のラインを案内されます。

ラインでは有名なアメリカブランドのアンダーウェアが生産されています。見慣れたロゴタグをセットされた製品が無造作に山積みされています。
会議室で製品、縫製サンプル、コスト概算などのプレゼンテーションを受けます。総経理の「大丈夫、私たちにまかせなさい!食事にいきましょう!」の中国ではよく聞くフレーズに頷きながら、工場内の施設をさらに見たいとリクエストすると工場長が稼働していない広大なスペース、施設を案内してくれます。明らかに、スペースも人も余っています。
今後、彼らは日本の生産業が経験した効率と品質、コストの壁と闘いながら益々、ポテンシャルの高い製品を、この玉蜀黍畑の中の工場から世界へ押し出してくるでしょう。

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