畑の中に突如姿を現した文化大革命の波にも洗われたであろう古びた煉瓦塀に囲まれた工場、門の頑丈な扉を開け中庭に入れば外壁を白く塗られた平屋の工場棟が視界に広がります。
日本、アメリカのビジネスマンたちの来訪を総経理が満面の笑みと力強い握手で迎えます。実際にラインではアメリカブランドのアンダーウェアが生産されています。
見慣れたロゴタグをセットされた製品が無造作に山積みされています。会議室で製品、縫製サンプル、コスト概算などのプレゼンテーションを受けます。総経理の「大丈夫、私たちにまかせなさい!食事にいきましょう!」の中国ではよく聞くフレーズに頷きながら、工場内の施設をさらに見たいとリクエストすると工場長が稼働していないスペース、施設を案内してくれます。
明らかに、スペースも人も余っています。今後、彼らは日本の生産業が経験した効率と品質、コストの壁と闘いながら益々、ポテンシャルの高い製品を、この玉蜀黍畑の中の工場から世界へ押し出してくるでしょう。