中国のビジネスとリスク

北京タクシー

「君子危うきに近寄らず」、「急がば回れ」・・・中国ビジネスでは格言は有用のようです。
あらゆるリスク、ダメージを低減、回避できるとは思いますが、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」は金言でもあります。
しかしながら、あまり痛い思いはしたくありません。長安街、西単で仏製ノックダウンの軽いタクシーの前輪は吹っ飛びました。
まだまだ、北京でオリンピックなど想像できない時代でした。
ただ、いつか早い時期に日本は経済力で抜かれるだろうという漠然とした焦燥感は胸にありました。

北京、国貿のオフィスでの深夜までのプロジェクトミーティングが終わりビルを出ました。
ちょうど客待ちの少々ヨレヨレの小型タクシーが1台、中を覗き込むと、これまたヨレヨレの年配の運転手が爆睡中です。
客待ちというより深夜の人気のないオフィス街で就寝中の雰囲気です。「これは危ないな・・・」と思う反面、明日も早いしハードなスケジュール、疲れた身体で建国路まで歩いてタクシーを捕まえるのも「億劫だぞ・・」という思いに心が一瞬揺れました。人間は「楽なほう、早いほう、安いほう」に流されますから、一瞬のためらいの後、料金の安い小型タクシーの窓ガラスを叩いて運転手を起こしにかかりました。その10分後、タクシーは西長安街で見事に単独クラッシュ!北京っ子のように助手席に座っていた私はフロントウィンドウに頭頂部をヒット!どこからともなくわきでる野次馬、ふんぞり返った公安は客が日本人だと知ると徐々に後ずさり、運転手は頭を抱えて路肩にしゃがみ込んだまま微動だにせず。さぁ、有料救急車を呼ぶか・・。公安に訴えて事故手続きするか、示談にするか。さぁ、眠れない北京の夜の始まりです。